3時間目-リフトアウトって?-水彩の技法と塗り方

 

サラ】さて、ウォッシュして、ウェット イン ウェットまで完了! この流れでいうと、次はリフト アウトね!
  
フク】リフト アウト? えっと、日本語に訳すと・・・
わかんない!鳥さんの英語力ではムリ!

サラ】リフトは、”持ち上げる”。アウトは、”取り除く”という意味があるのよ。
水彩の技法で言うリフト アウトは、塗った絵の具を浮かび上がらせ、取り除くこと。

ウェット イン ウェットでは、水の妖精さんにおまかせ!・・・って感じで、水の性質を利用する技法だったけど、リフト アウトは意図的な技法になるのよ

水彩で描いていると、「あっちゃー塗りすぎちゃった!」とか、「イメージした色合いじゃなかった!」「右に置いた色が、左に流れていっちゃった!」とかよくあるでしょ?
それを補う技法が、このリフト アウト! ここでは、前回のウェット イン ウェットで色を置きすぎた時、塗りすぎた時も含め覚えておきたいリフト アウト3つのパターンを紹介していきますね!

やつでの葉の水彩画・水彩イラスト完成

やり方は簡単!以下を参考にみなさんも試してみませんか?

【リフト アウトの手順とコツ】

1)筆を使ってリフト アウト

水彩でのリフト アウト,水彩の技法と塗り方

塗りすぎてしまった箇所の色を、筆を使ってぬぐい取ります。乾いてしまっている場合は、筆にたっぷりの水をにつけ、軽くなで、色が浮かび上がってきた所をぬぐい取ります。コツは軽いタッチで! こすると紙を痛めてしまいます。
ここでは、葉っぱの中心部分を白っぽい仕上がりにするために、その個所の色を筆を使ってリフト アウトしています。

 

2)ティッシュを使ってリフト アウト

水彩でのリフト アウト2,水彩の技法と塗り方

ティッシュはとても吸収性に富んでいます。まだぬれている状態であれば、色を取りたい箇所を軽くなでるだけで充分です。強く押さえつけてしまうと、塗っていた色が、いっきに取れてしまうので注意が必要です。色が取れてしまったら、また筆を使って塗り足しておきましょう。

 

3)きれいに乾かす時間をとる

水彩の技法と塗り方,乾かす時間をとる

3つめリフト アウトに進む前に、乾かす時間をとりましょう。リフト アウトでは、きちんと乾かした後に進む・・・というやり方もあります。小鳥のフクちゃんの休憩の取り方は、上記の通り。
みなさんも休憩を取りながら進んでくださいね。ここでは、少しの休憩の後、ドライヤーで乾かして進みます。

 

4)小筆とティッシュを使ってリフト アウト1

リフト アウト3-1,水彩画,水彩イラストの技法と描き方

水を含ませた筆を使って色を取るというリフト アウトをやってみましょう。色を取るというのも描き方の一つです。ここでは、葉っぱの色がきちんと乾いていることが前提です。葉っぱの葉脈を水を含んだ小筆で描いていきます。コツはコシのある先の細い筆を使うこと!柔らかい筆では、線がはみ出し描きづらいです。

 

5)小筆とティッシュを使ってリフト アウト2

リフト アウト3-1,水彩画,水彩イラストの技法と描き方

細い筆を使って水を含んだ筆で描いたら、すぐにティッシュで押さえます。そうすることで、キレイに色を取ることが出来ます。コツは、一度乾いた色が、水で浮かび上がっているうちに、上から押さえてふき取ること。ここでは、葉っぱの葉脈を一本一本ていねいに描きながら、そのたびにティッシュで押さえています。筆を持つ手と逆の手にティッシュを持って進めましょう。小さい方の葉っぱにもリフト アウトで葉脈を描いておきましょう。

 

6)リフト アウトの修正

ウェットインウェット,筆を使ってぬる

筆やティッシュを使ってリフト アウトすると、色を取りすぎてしまうことがあります。その場合は、そこでいったん乾かした後、リフト アウトした周りの色(ここでは青や緑色)を筆で薄く塗っていきます。そうすることで、自然な感じに仕上がります。

 

7)影をつけて仕上げる

リフト アウト,影をつける,水彩画,水彩イラストの技法と描き方

葉っぱの淵や茎の下に、透明感のある灰色でを描いてみましょう。灰色は、補色(反対色)を混ぜて作ってみてください。(赤色+緑色、黄色+紫色など)
そうすることで透明感のある灰色が作れます。
影をつけることで、白いテーブルに置いてある葉っぱに見えてきます。
影を描くことは、光を描いていることにもなります。薄い影は柔らかな光を、濃い影なら強い光を感じさせます。影を描く位置によって、どの方向から光が当たっているのかもわかります。
見逃しがちな「影」ですが、最後にこの影をきちんと描くことで描いたモチーフ(対象物)が引き締まって見え、存在感を増すことができます。

 

8)描いた水彩紙を冊子からはがす

水彩紙を剥がし取る

描いた水彩紙を、ブロック状になっている冊子からカッターナイフを使ってはがします。水彩の冊子は、水で紙がたわむことがないように、紙の周りが糊(のり)で固めてあります。
ただし、糊で固めていない部分が冊子の下の中央部分にあります。そこにカッターナイフの刃を差し込み、すべらすようにしてはがしましょう。カッターの刃は長めに出しておくと差し込みやすくなりますよ。絵を完成させるたびに一枚ずつはがしとる形で使います。

9)1枚目の絵の完成です!

やつでの葉の水彩画・水彩イラスト完成

ここで1枚目の絵の完成です。

 


サラ】水彩の技法の第3歩目。!リフト アウト出来ましたか?

フク】今回もとても上手に出来ました すっごく楽しい!

サラ】よかった!でも上手に描くことを目標にするより、まずは楽しむことを目標にしてね!
いろんな技法を紹介してるけど、水彩の技法ってね、自分で編み出してもいいのよ!楽しんでるとアイデアが浮かぶから、それを試しているうちに自分の描き方や表現が見つかってさらに楽しくオリジナルな絵になっていくわよ!

フク】なるほどー。楽しく絵を描く感覚って忘れがち。でも人が描いた絵を見ていると、それを描いた人の気持ちが伝わってくるよね。

サラ】今回のリフト アウトでは、ティッシュでの使い方を紹介したけど、布やガーゼでも試してみたり、半乾きの状態の時に、アルミホイルやラップを当てて、水彩では乏しいとされているマチエール(材質を利用しての凹凸等の特殊効果)を表現したりするのも楽しいわよ!

下の水彩画はリフト アウト描いた絵なの。ミモザのリース。茶色で染めた影の部分のぼんやりとしたミモザ。これはあるものを使って、リフト アウトしています。何を使って描いたものでしょう?みなさんも予想してみてね!!

 

◆◆画像を挿入◆◆

フク】うーん。ミモザの花のポンポンした形だから・・・わかんなーい!!

サラ】答えは、・・・・綿棒です!! 綿棒は耳を掃除するものだけどリフト アウトする道具にも使えるのよ。

フク】なるほど! リフト アウトって感覚がわかった!

サラ】皆さんも色々ためしてみて下さいね! 楽しいですよ!

 


~1枚目の絵:ここまでのまとめ~

今までの技法を確認してみましょう。
1時間目はたっぷりの水を使って描くウォッシュ
2時間目はぬれた状態の上に絵の具を塗っていくウェット イン ウェット
3時間目は塗りすぎた絵の具をとったり、絵の具を取り除くことで描くリフト アウト
この3つの技法をマスターするだけでも水彩らしいタッチの絵が描けますね。

ちなみにこの2枚の葉っぱは、直径は20~40センチで天狗の団扇(うちわ)という別名をもつヤツデの葉をモチーフにしています。濃い緑の大きな葉っぱです。みなさんも目にしたことがあるかもしれませんね。


サラ】さて次は、また別の2種類の葉っぱをモチーフにして、新しい作品を3種類の技法を使って描いていきます。

まずは、水彩の技法の中でもオーソドックスな技法、
ウェット オン ドライをご紹介します。

水彩の技法-ウェットオンドライ(水彩画,水彩イラストの描き方塗り方)