5時間目-グラデーションって?-水彩の技法と塗り方

 

サラ】グラデーションを日本語にすると?

フク】グラデーション? 日本語はわかんないけど、色が変わっていくこと。

サラ】うん。そうね。色の段階的変化のことを意味する言葉ね。
水彩の技法で言うグラデーション、色を段階的に変化させて塗ること。

この技法では、透明水彩ならではの”美しさ”に心が浸ってしまうわよ。

今回は左側の赤い葉っぱオレンジの葉っぱグラデーションの技法で描きます。
落ち葉の水彩イラスト完成

さて始めましょう。
以下の手順を参考にみなさんも試してみませんか?

【グラデーションの手順とコツ】

1)最初の色をウォッシュする

グラデーションの手順-1,水彩画,水彩イラストの技法と描き方

筆にたっぷり色を含んで塗ります。ここでは彩度の高い赤色を塗っています。

※ウォッシュという塗り方の技法は、広い面を塗る時に使うことが多いのですが、”たっぷりの水で溶いた”色を、”筆にたっぷり含んで”塗るという意味でここでは使っています。

 

2)片側から別の色をウォッシュする

グラデーションの手順-2,水彩画,水彩イラストの技法と描き方

同じように、筆に別の色をたっぷり含んで片側から塗ります。
明るめのオレンジ色を塗っています。

 

3)真ん中で2つの色をなじませる

グラデーションの手順-3,水彩画,水彩イラストの技法と描き方

赤色とオレンジ色がなじむように、筆でぼかしていきます。

ここでのコツはこすってなじませないこと。
たっぷりの水を使っているので、
筆で軽くなじませるだけで、水の力で混じり合っていきます。

 

4)自然乾燥で乾かす

グラデーションの手順-3,水彩画,水彩イラストの技法と描き方

拡散した色が乾くと、赤色からオレンジ色のグラデーションになります。

※ここでは2色でのグラデーションですが、水を含んだ筆を片方から延ばしていくことで、1色だけのグラデーションを作ることもできます。
また、3色、4色と同系色の流れで色に変化をつけていくと、色彩豊かなグラデーションが出来上がります。
グラデーションを作るときは、ドライヤーではなく自然乾燥の方が、仕上がりがきれいです。

 


サラ】水彩の技法の第5歩目。グラデーション!出来ましたか?

フク】一応来たけど、段階的に・・・っていうほど、キレイに色の変化がでなかった。

サラ】そうなのよねー。水の量や色の拡散具合によっても違ってくるの。
でも、これも慣れてくると上手になってくるのよ。グラデーションの美しさが水彩のひとつの魅力だから、この技法がマスターできると、またぐぐ~んと楽しくなるわよ!

そうそう、ここで色について大事なことをひとつ!
グラデーションでは、補色(反対色)を使わないということ。

フク】ほしょく?・・・言ってる意味がわかんなーい。

サラ】えーっと、じゃあ説明しますね。下の色の輪を見ててね!

color-wheel
12色相環(しきそうかん)というものなんだけど、
12時のところにある『赤色』の補色(反対色)は6時の位置にある『緑色』になるの。

フク】なるほど。

サラ】じゃあ、明るい『黄色』の補色は何色でしょうか?
みなさんも答えてみてね!

フク】えっと、4時の位置にある『黄色』だから・・・その反対の10時の位置にある『紫色』!

サラ】そう!大正解!

フク】補色っていう意味はわかったけど、どうして、補色どうしでグラデーションしたらいけないの?フクは黄色と紫色って、大好きな色なんだけど・・・このふたつの色でグラデーションしたらキレイだと思う。

サラ】うん。どちらもキレイな色よね。でもね、補色関係にある色が混ざり合うとね・・・『灰色』になっちゃうの!

フク】うわーっ。絶望的な色!

サラ】そうね。だからグラデーションに限らず、
ウェット イン ウェットでも、
ウェット オン ウェットでも、
混ざり合う色、重なり合う色では、
ちょっと意識してるといいわよ。

色が灰色っぽく濁ってくるのは、そういう色使いをしていることが多いの。
また、筆を洗う水が濁ってきてたり、筆をきれいに洗わないまま他の色を塗るのも要注意!

とくにグラデーションをするなら、
この色相環で示す、隣り合う色味、同系色の流れの色を使うと
すっごくきれいな色の変化を出すことが出来るわよ!

フク】わかった。さっそくためしてみよ―。

サラ】それともう一つ!

フク】まだあるの?

サラ】うん。灰色ができるって、さっき言ったけど、フクちゃんは、水彩で『灰色』を作る時どうする?

フク】そんなのかんたーん!
絵の具の『白色』と『黒色』を混ぜて作るよ!

サラ】ブブー!!不正解!
透明水彩の白色の絵具は不透明色なの。
だから灰色を作る時に限らず、色を明るくするために混ぜると、せっかくの透明感がなくなっちゃうのよ。

さっき、絶望的・・・って言っていた『灰色』って、実はとてもよく使う色なの。
例えば、花を描くときでも、明るい色の所ばかりではないでしょう?
影の部分もある・・・。そんな時の色に、補色同士で作った『灰色』って大活躍するの。

影の色を作るには、この『補色』で作ってみるといいわよ。
補色関係によって、微妙に違う灰色ができるのよ。
また『黒色』も、水彩では強すぎるから
補色でつくった『濃い灰色』を黒色として使うといいわよ。

フク】なるほどー。
透明水彩で使う色っておくぶかーい。キレイな色ばかり使いたいけど、補色を利用することで、よりキレイな色が引き立つってこともあるよね。

サラ】そうそう。
色の使い方がわかってくると、また、ぐぐぐ~んと楽しく、上手に描けるようになるわよ!

みなさんも、この補色関係・・・ちょっと意識してみてね!
とくに、色が濁ってしまう・・・という時にチェックしてみてくださいね!

次は、水の妖精がおこす、楽しいイタズラ現象。
バック ランの技法をご紹介します。

水彩の技法-バックラン(水彩画,水彩イラストの描き方,ぬり方)