サラ】バック ランを日本語にすると?
フク】またその質問?
えっとね。バックは後ろ。ランは走る。
サラ】はい。大正解! 後ろに走る・・・
逆に向かって流れるってことで・・・逆流って意味なの。
水彩の技法で言うバック ランは、
水の逆流を利用して模様を作り出すこと。
このバック・ランについていえば、
意図的な技法というよりも、
水の乾き具合によって、自然に出来る場合が多くて
にじみとか言われてしまうこともあるのよ。
でも、水彩らしい模様で、作り方を知っていれば
絵作りにおいては、効果的なアクセントにもなりうるの。
その形がお野菜のカリフラワーに似ているところから、
カリフラワーってよばれることもあるのよ。
右の絵では、ふたつ重なった赤い葉っぱの右側に、
黄色のバック・ランでアクセントをつけてみたの。
水の妖精が作り出した模様みたいでしょ?
さて、今回も始めましょう。
以下を参考にみなさんも試してみませんか?
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※上の線画は、ぬり絵ページの
2)水彩の技法(ウェット・オン・ドライ、グラデーション、バック・ラン)
からダウンロードできます。
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▼ バック・ランの手順とコツ

葉っぱの色:■キナクリドンレッド |
1 半分乾いた状態で色を差す
ウォッシュしたモチーフが半乾きの状態になるまで待ちます。
半分乾いたことを確認して、
筆に色を含み、ポトンとたらすように差します。
コツは、先に塗っているモチーフの方が、
半分乾いた状態であること。
差す色は、たっぷりの水で溶いた色であること。
塗るのではなく“色を差す”という感じで。
ここでは、赤い葉っぱの色が、半乾きの状態の時に、
黄色を差しています。水を差すこともあります。
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重ねた色:■レモンイエロー
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2 手を加えずにそのままにしておく
差した色がカリフラワーのような模様をつくります。
※なぜこのような形になるのでしょう?
たっぷりの水を含んだ色は広がろうとするのに対し、
土台となっている色は、
半乾きの状態で、それを食い止めようとする力が働きます。
差した色を押し戻そうとする状態(逆流)となり、
このような形があらわれます。
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3 水の妖精におまかせする
バック・ランは意図的に操作するより、自然に任せた方が
味わいのある形を作り出します。
“半乾きの度合” “差し色の水の量” “その時の気温や湿度”
によって、カリフラワーの形が変化してきます。
水の妖精さんにおまかせして、
コーヒータイムにいたしましょうか?(*^▽^*)
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サラ】水彩の技法の第6歩目。バック・ラン!出来ましたか?
フク】できたけどー。
水の妖精さんのごきげんが悪ったみたいで、
こんな形になったらいいな・・・って、
フクが思ってた形にはならなかったー・・・
サラ】うん。それでいいのよ!
水彩で絵を描くってね。
水の妖精さんとの”合作”なの。コラボレーションね!
初めから最後まで、
人為的に、意図的に描くこともできるけど、
せっかくのコラボだもん。
おまかせする所があっていいのよ。
ほかにも、その時々で、
水の状態を利用したり、水の状態に合わせたり・・・ね!
水の妖精さんと呼吸が合ってくるとね、
ダンスを踊っているように楽しくなるわよ。
他の画材にはない、水彩ならではの楽しさね。
フク】わぁ。そうなったらいいな~。
ダンスといえばフクは、マイム・マイムしか踊ったことないけどー。
サラ】さて、みなさんはいかがでしたか?
水の妖精さん・・・どんな模様をつくりましたか?
楽しい合作になってるといいな~・・・って思ってます。(^.^)b
次は、アクティブでちょっとプロっぽいワザ。
スパッタリングの技法をご紹介します。

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