サラ】水彩の技法には、お塩を使った技法もあるのよ。
フク】お塩? お塩って、お料理に使う?
サラ】そうよ。
水彩の技法では塩を使って(with Salt)、とても美しい模様をつくる方法があるのよ。
水彩は油絵のように、厚く塗り重ねたり、他の素材を取り込んでのマチエール(材質を利用しての凹凸等の特殊効果)を得られない分、水の特性を生かした表現手段があるのよ!
以前、“水の妖精”とのコラボレーションって言ったけど、今回は“塩の妖精”も参加しての特別な技法なの。神秘的で癒されるわよー。
ここでも前回に引き続き、技法を使いながら下の絵を完成させるまでの過程を解説していきます。
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やり方は簡単!
手順を参考にあなたも描いてみてね!
【 ページの目次 】
【塩を使っての手順とコツ】
手順1)塩を使う葉っぱに色を塗っておく
まだ色を塗っていない葉っぱに色を塗ります。たっぷりの水で溶いた色を塗ります。
ここでは下の段の真ん中の葉っぱを緑色と青色のグラデーションで塗っています。
コツは透明感のある濃い色をたっぷりの水で溶いて塗ること。
※すこし水っぽいと感じる濃度がおススメです。
そうすることで、後で散らす塩が水を吸い込みやすくなり、美しい模様を作ります。
手順2)色を塗った葉っぱに塩を散らす
たっぷりぬれている状態で塩を散らします。
ここでのコツは、荒塩などの大きな粒子の塩ではなく、サラサラとした細かい粒子の“精製塩”を使うこと。
指につまんで、ひと粒、ひと粒、ていねいに散らしていきましょう。
手順3)模様が現れ始める
塩を使った技法では、ドライヤーなどで乾かさず、ゆっくりと自然乾燥させます。
しばらくすると、塩が周りの水を吸収して白い結晶のような模様が現れ始めます。
手順4)そのまま自然乾燥で乾かす
しばらくして、乾ききると上の画のような模様ができます。
手順5)拡大してみると・・・
上の画は拡大したものです。塩の粒の大きさや、水彩紙の目の粗さによっても模様が違ってきます。
ここで使った紙は【水彩用具の準備】のページで、おススメしているウォーターフォード紙の中目です。
このメーカーのものは、水彩紙の中でも塩の模様がよく出るようです。
残りの葉っぱ2枚も、今までに学んだ技法を使って描いておきましょう。
葉っぱの葉脈をリフトアウトで描いたり、影を描き足したりして完成度を高めましょう。
手順6)描いた水彩紙を冊子からはがして完成です!
以前の作品と同じように、描いた水彩紙をブロック状になっている冊子からカッターナイフを使ってはがします。
水彩の冊子は水で紙がたわむことがないように紙の周りが糊(のり)で固めてあります。糊で固めていない部分が冊子の下の中央部分にあるので、そこにカッターナイフの刃を差し込みすべらすようにしてはがしましょう。
はがし終わったら3枚目の水彩画の完成です。
サラ】水彩の技法の9時間目。塩を使って!出来ましたか?
フク】出来ましたー。すごいキレイ!! 雪の結晶のような、海に浮いているクラゲのような・・・塩でこんな模様ができるなんて不思議~!
サラ】ほんとね! 上手くいかなかった方は、何度もやってみてね。コツがつかめてくると、きれいな模様が出来るようになりますよ!
フク】うん。フクも3回目でやっとキレイな模様ができたー。それにしても、水彩って色んな技法があったんだね。
サラ】技法に関して言えば、まだあるんだけど、ここで紹介した9つの基本技法を自由に使えるだけでも充分だと思うの。
特に、この技法が楽しかった・・・と心が感じたものがあるなら、それを極めていくことで、オリジナルな表現に繋がっていくかも!
さて、あなたはいかがでしたか?
まとめ:3枚目の絵【9枚の葉っぱ】で習得した技法
先の1~6時間目までに学んだ6つの技法に加えて、今回新たに学んだ3つの技法を確認しておきましょう。
7時間目は、絵の具を飛び散らせるスパッタリング。
8時間目は、乾いた筆で塗るドライ ブラシ。
9時間目は、水と塩の性質を利用して模様を作り出す塩を使って。
今回学んだ3つの技法は、それ以前の技法に比べて、難易度が高く、すぐには上手くいかない場合もありますが、何度かやっていくうちにコツをつかむことができます。
今回のモチーフも公園で拾った9枚の葉っぱです。葉っぱの形はそれぞれですが、1つの樹木が落とした葉っぱたちです。
普段の生活では気づきにくいものですが、私たちの周りには絵のモチーフになりそうな美しいもの、面白いものが沢山あります。
学んだ技法が使えそうなモチーフを探しに自然散策に出かけるのも楽しいですよ。
今回も「楽しんで描けたな!」とあなたの心が喜んでいるのならこのスタンプを・・・
サラ】ここで、「水彩の技法と塗り方」のすべての過程を終了します! お疲れさまでした!
9つの技法を順を追って解説してきましたが、これから描く自分の絵に活用できそうですか?
今一つ理解できなかった方、習得できなかった方は、
確認を兼ねて、最初のページからおさらいしてみて下さいね。
<<【水彩の技法と塗り方】の最初のページからおさらい。ココをタップ!<<自信をもって「習得できた!」という方は、
練習作品も含めて、沢山の絵が出来上がっていることと思います。
「失敗しちゃったー」
という作品も捨てないで!
上手く描けたところだけトリミング(切り取り)して、素敵なポストカードを作ることが出来ます。
水彩で絵を描くことで、自分自身を楽しませることが出来たあなたですから、
きっと、他の人たちも楽しませることができるはず。
あなたはすでに、自分以外の人も幸せにできる作家さんですね。
次のコーナーでは、
あなたが描いた絵で、人を楽しませ、幸せにするための活用術をご紹介します。