フク】印刷した線画をトレースするって、なぞり書きするってこと?
サラ】そうそう。カーボン紙というインクの付いた紙を水彩紙とコピー用紙の間にはさんで、線画をなぞり書きするとインクが水彩紙について下絵が描かれるの。
線をペンでなぞるだけだから簡単よ!
フク】ふーん。でもフクは、すぐに色を塗りたい。
線画のトレースってめんどくさそう!
サラ】うん。そういうフクちゃんみたいなタイプの方は、プリンターに接続されたパソコンから直接プリントするといいと思う。薄い水彩紙(A4サイズ)なら可能よ。
(※直接プリントする場合を考慮して、塗る色が濁らないように、線画は黒色ではなく薄い灰色にしています)
でも、ダウンロードした線画をトレースするのって、単純な下絵なら5分~10分くらい。
複雑な下絵でも20分くらいで出来るのよ。
線をなぞっていると、集中してくるし、日常から離れて”無心”になれるし。
心が整ってくる感じを体験できるわよ。
フク】なるほど。じゃあやってみる。
サラ】ここでは2つのやり方を説明します。
最初に市販のカーボン紙を使う場合。なぞるだけで簡単ですが、黒いインクが水彩で溶け出す場合があります。薄い色を着色する水彩画作品ではおススメできません。
次に、サラが普段下絵を描く時に作る「鉛筆カーボン紙」を使う場合。
鉛筆の粉をインク代わりに利用します。水彩画作品全般の下描きにおススメです。
「インクカーボン紙」の手順の後に、「鉛筆カーボン紙」の作り方と手順を解説します。
あなたも参考にしてみてね!
【 ページの目次 】
トレース その1:インクカーボン紙の場合
手順1)道具を用意する
水彩紙とカーボン紙と線画、マスキングテープとボールペンを準備します。
用紙を重ねる順番は、水彩紙、その上にカーボン紙、一番上に線画になります。
カーボン紙はインクの面が水彩紙側になるように置きます。
重ねたら、紙がずれないようにマスキングテープで止めておきます。
また、ボールペンの色は線画が黒なので赤いインクのものがおススメです。
手順2)線画の線をなぞる
ボールペンで線画の線をなぞっていきます。
手順3)途中で確認する
なぞった線画が水彩紙に写っているか、途中で少しめくって確認します。
写っていない場合は、カーボン紙が裏と表、逆になっています。
手順4)下描きの完成
なぞり書きが終わったら、マスキングテープをはがして確認してみましょう。
きれいに描けていれば、下描きの完成です。
トレース その2:鉛筆カーボン紙の場合
手順1)プリントした線画を用意する
ダウンロードした線画をコピー用紙(A4サイズ)に印刷しておきます。
線画の線の色は薄い灰色です。
手順2)線画を裏返し鉛筆の粉を付ける
その線画を裏返して、鉛筆の粉を裏面全体に付けていきます。鉛筆の濃さはB~2B位がおススメです。
用紙全体に鉛筆の粉が付いたら、ティッシュで表面をなで、粉を固定します。
テーブルを汚さないために、A4サイズよりも大きなA3サイズ位の用紙を下に敷いておきましょう。四隅をマスキングテープで止めておくと作業しやすくなります。
手順3)鉛筆カーボン紙の完成
ティッシュで鉛筆の粉が用紙全体にまんべんなく着いたら、表が線画、裏が鉛筆の粉の付いた鉛筆カーボン紙の完成です。
手順4)水彩紙を準備する
ここで使用した水彩紙は、ホルベイン・ウォーターフォードのブロック冊子。
サイズはF4です。
水彩紙のF4サイズは、コピー用紙のA4サイズより、2cm周りほど大きいサイズになります。
手順5)線画を水彩紙にトレースする
用紙の裏に鉛筆の粉のついた線画を水彩紙の上に置きトレースします。鉛筆の薄い粉が水彩紙に映ります。
線画の線は薄い灰色なので、赤や青色のボールペン(0.5mm位)でなぞると描いた線が認識しやすいです。ここでも用紙をマスキングテープで止めておくとズレません。
きれいに描けていれば、下描きの完成です。
塗る前の準備
水彩の道具をすでに持っている人はこのまま読み進めて下さい。
まだ持っていない人は⇒【水彩に必要な道具】を参考にそろえてみて下さいね。
1)水彩道具を準備する
水彩で色を塗る前に、パレットに絵の具を出しておきましょう。
出した絵の具を乾かしておき、塗る時に水を含んだ筆で少しづつ溶かして使います。
特定の絵の具を濃く塗りたい時、広い面を塗りたい時は、別の皿にその色の絵の具だけを出して使います。
他にも、筆や、筆を洗うための水の入った容器、筆を拭くためのキッチンペーパー、塗りすぎた時にふき取るためのテッシュなどをそろえておくと制作に集中できます。
2)水彩で「白抜き」するための道具
透明水彩の絵の具では、白抜きにマスキングインクを使います。このインクをあらかじめ塗っておくことで、絵の具をはじくことができ、紙の白地を残せます。
繊細な絵を描きたい方は用意しておくと効率よく制作できます。
マスキングインク、インクを移す小皿、後で取り除くためのラバークリーナー、クリーナーを切るカッターやハサミ、マスキングインク専用に使う小筆などをそろえておきましょう。筆について固まってしまったマスキングインクを取り除くにはマスキングインククリーナーが必要になります。
3)効率よく進めるための道具
ドライヤーを使うことで、塗ったところを早く乾かすことが出来ます。
サラ】トレースと塗る前の準備、出来ましたか?
フク】できましたー。トレースって意外と簡単でした!めんどくさがりのフクでも出来たから、今ここを読んでいる人もできると思います。
サラ】では、次は水彩の技法と塗り方に進みます。
初めて水彩画や水彩イラストを描く人には、とっても役立つ技法になります。